第11回「知識・芸術・文化情報学研究会」(JADS関西地区部会研究会)開催案内(参加者募集)
第11回 知識・芸術・文化情報学研究会を開催します。
この会は、関西地区部会研究会を兼ねております。
参加者申し込みを受け付けておりますので、奮ってご参加ください。
なお、非会員でも参加可能です。
■ 日時:2022年2月12日(土)13:00開始
■ 実施方法:オンライン開催(Zoom使用)
※ アクセス方法は発表者および参加申し込みをいただいた方にメールでお知らせします。
※ 会場による開催はございませんのでご注意ください。
主催:知識・芸術・文化情報学研究会
世話役〔五十音順〕:赤間亮(立命館大学)、阪田真己子(同志社大学)、
田窪直規(近畿大学)、村川猛彦(和歌山大学)
共催:アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会、情報知識学会関西部会
協力:立命館大学アート・リサーチセンター
文部科学省 国際共同利用・共同研究拠点
「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」
■ 参加申し込み方法
2022年2月9日(水)までに、氏名・所属を明記の上、kacimeeting+2022■gmail.com 宛に電子メールでお申し込みください(■を@に変えてください)。
※ 参加費は無料です。
※ 研究発表会後に懇親会(オンライン開催、無料)を予定しています。大学や分野の枠を超えた交流の場にしたいと思いますので、あわせてご参加ください。
○プログラム
13:00 開会挨拶
13:05 発表1
「鎧兜の3次元計測データに基づくデジタルコンテンツの作成」
Zhang Zian(立命館大学大学院情報理工学研究科)
13:30 発表2
「深層学習によるボロブドゥール寺院壁画レリーフの
セマンティック・セグメンテーション」
季 申予(立命館大学大学院情報理工学研究科)
13:55 休憩
14:10 発表3
「情報処理科目を対象とした理解度テストの作成支援に関する研究」
山口 晶啓(和歌山大学大学院システム工学研究科)
14:35 発表4
「for文は必要か―プログラミング授業における設問と分析」
村川 猛彦(和歌山大学システム工学部)
15:00 休憩
15:15 発表5
「映像制作における記録の役割に関する研究」
辻 俊成(立命館大学大学院文学研究科)
15:40 発表6
「自治体映像資料に関するデジタルアーカイブ構築の実践
〜「京都ニュース」のデジタルアーカイブ構築を事例に」
宮田 悠史(立命館大学大学院文学研究科)
16:05 発表7
「WEBコンテンツのデータベース化による世代ごとのCGMの傾向分析」
森 敬洋(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
16:30 休憩
16:45 発表8
「アメリカンコミック原作映画から見るヒーロー像及び悪役像の
変遷に関する研究」
川本 純(同志社大学文化情報学部)
17:10 発表9
「「法華経」の和歌と絵画のテキスト解析を通じた分析」
相田 愛子(日本学術振興会特別研究員RPD・金沢大学)
17:35 閉会挨拶
17:50 懇親会
○発表要旨
[発表1]
「鎧兜の3次元計測データに基づくデジタルコンテンツの作成」
Zhang Zian(立命館大学大学院情報理工学研究科)
我々は,京都市の弓箭閣が所蔵する鎧兜を3次元計測して得られたデジタルデータを活用し,鎧兜をWeb上で対話的に観察できるデジタルコンテンツを開発している.コンテンツの特徴は,表示する3次元可視化画像の高精細さにある.計測ノイズを自動的に消失させる確率的ポイントレンダリングや,計測データである3次元点群をポアソンディスクサンプリングで高品質化することで,対話的かつ高精細な可視化が可能になる.
[発表2]
「深層学習によるボロブドゥール寺院壁画レリーフの
セマンティック・セグメンテーション」
季 申予(立命館大学大学院情報理工学研究科)
現在、3次元計測技術の発展に伴い、有形文化財を保存するデジタルアーカイブ化という手段がよく利用されている。本研究では、世界文化遺産ボロブドゥール寺院の壁面レリーフを対象として、3次元計測データを活用したデジタルミュージアムのための基盤技術を開発する。具体的には、深層学習に基づくセマンティック・セグメンテーション処理によって、壁面レリーフに描かれた人物、木々、住居などを自動分類する技術を開発する。
[発表3]
「情報処理科目を対象とした理解度テストの作成支援に関する研究」
山口 晶啓(和歌山大学大学院システム工学研究科)
各大学で情報処理教育が行われており、和歌山大学システム工学部でも情報処理科目を開講している。本学部の情報処理科目では成績評価とは別に学生の学習理解度を計測するために理解度テストを実施している。本研究では理解度テストの推定精度の向上を目指し、問題作成プロセスについての手法の提案を考えている。今回の発表では今年度の理解度テストの実施および外部でのテスト実施状況について報告する。
[発表4]
「for文は必要か―プログラミング授業における設問と分析」
村川 猛彦(和歌山大学システム工学部)
C言語においてfor文は主に,回数の決まった繰り返しのために使用されるが,記述した順に実行しないこと,多重ループにおいて複数の変数の値がそれぞれ変化することなどから,初学者にとって理解が容易とは言えない.発表者が担当する大学1年次向けのプログラミング科目において,for文不要論を提示し,その賛否を回答してもらった.回答者数や特徴的な回答について報告する.
[発表5]
「映像制作における記録の役割に関する研究」
辻 俊成(立命館大学大学院文学研究科)
映像制作の現場では、スタッフ・役者が高いパフォーマンスを発揮するために個人が記録を行うことや、公式的な記録係であるスクリプターという役職がおかれることは一般的に知られている。しかし、記録の内容、記録を通じたスクリプターの役割など不明瞭な点も多く、学術的な整理や調査も進んでいない。そこで本発表においては、複数の方法論を複眼的に用いた調査を行い、映像制作における記録の“実態”について報告する。
[発表6]
「自治体映像資料に関するデジタルアーカイブ構築の実践
〜「京都ニュース」のデジタルアーカイブ構築を事例に」
宮田 悠史(立命館大学大学院文学研究科)
「京都ニュース」は、1956年から1994年までに京都市が制作し、市中の映画館で上映された市政ニュース映像である。これらは、京都市の市政活動や景観の変容、市民生活などが幅広く把握できるため、多様な分野における研究素材としての価値も大きい。筆者らは、これまでにこれらのデジタルアーカイブ構築に向けた研究を行ってきた。本発表は、Filmの調査をはじめ、デジタル化に関する諸工程についてその実践を報告するものである。
[発表7]
「WEBコンテンツのデータベース化による世代ごとのCGMの傾向分析」
森 敬洋(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
本研究はWEBユーザがみずから作成・配布するコンテンツ(CGM)をデータベース化し、言語・統計的分析によって各世代の傾向を見出す。ここではFRBRモデルにしたがってデータベース化したゼロ年代前後のゲームやフラッシュ動画約五千件のタイトルやジャンルの傾向を、テキストマイニングと対応分析によって視覚的に示し、思想系などデータ分析が主流ではない関連領域にも親和性の高いデータベースの活用方法の一端を示す。
[発表8]
「アメリカンコミック原作映画から見るヒーロー像及び悪役像の
変遷に関する研究」
川本 純(同志社大学文化情報学部)
1970 年代から 2021 年までに上映されたアメリカンコミック原作映画におけるヒーロー像及び、悪役像の変遷を、ショット数データを用いた計量的な側面から分析した。ヒーロー、悪役、男女別に分類を行ったその他の登場人物のショット数データを分析した結果、2001 年前後、2013 年前後でヒーロー像の変化が確認できた。今回は、登場人物のショットから読み解いたヒーロー像の変遷について報告する。
[発表9]
「「法華経」の和歌と絵画のテキスト解析を通じた分析」
相田 愛子(日本学術振興会特別研究員RPD・金沢大学)
平安時代から室町時代までの約500年にわたる二十一代集や私撰集、私家集、定数歌などから法華経を主題とする和歌”法華経歌”約1000首を収集し、特徴語を抽出し分析する。その一方で、同時期の法華経を主題とする絵画”法華経絵”を分析し、法華経絵におけるモチーフと特徴語とを擦り合わせることで,絵と言葉と対応関係を示したい。また両者における異同を明らかにすることで、それぞれのメディアにおける特徴を明らかにしようと試みる。