第13回「知識・芸術・文化情報学研究会」(JADS関西地区部会研究会)の開催案内(参加者募集)
第13回 知識・芸術・文化情報学研究会を開催します。
この会は、関西地区部会研究会を兼ねております。
参加者申し込みを受け付けておりますので、奮ってご参加ください。
なお、非会員でも参加可能です。
日時
2024年3月23日(土)13時開始
- アクセス方法は発表者および参加申し込みをいただいた方にメールでお知らせします。
実施方法
ハイブリッド開催
会場:立命館大阪梅田キャンパス(大阪梅田駅前)
〒530-0018 大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル5階
https://www.ritsumei.ac.jp/osakaumedacampus/access/
オンライン:Zoom使用
主催:知識・芸術・文化情報学研究会
世話役〔五十音順〕:赤間亮(立命館大学)、阪田真己子(同志社大学)、田窪直規(近畿大学)、村川猛彦(和歌山大学)
共催:アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会、情報知識学会関西部会
協力:立命館大学アート・リサーチセンター 文部科学省 国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際研究拠点」
参加申し込み方法
2024年3月20日(水)までに、参加申し込みフォームよりお申し込みください。
- 参加費は無料です。
- 研究発表会後に懇親会を予定しています(対面のみ)。大学や分野の枠を超えた交流の場にしたいと思いますので、あわせてご参加ください。会場、参加費等は決まり次第ご案内します。
プログラム
開会挨拶 13:00~13:05
発表1 13:05~13:30
「役者評判記の形態素解析における現状と課題―評判記を用いた歌舞伎用形態素解析辞書の構築を目指して」
戸塚 史織(立命館大学大学院文学研究科文化情報学専修)
発表2 13:30~13:55
「近代歌舞伎の淀君表象研究におけるデジタルアーカイブの活用」
嶋津 麻穂(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
発表3(オンライン発表) 13:55~14:20
「ARC翻刻支援システムによる非母語話者との協働翻刻:17世紀以降の禅画を中心に」
中村 充孝(ハワイ大学マノア校図書館)
休憩 14:20~14:35
発表4 14:35~15:00
「花押画像検索システムにおける近似最近傍探索を用いた検索機能の開発」
北國 智己(和歌山大学)
発表5 15:00~15:25
「プログラミング学習支援システムにおける記録の分析」
田岡 健斗(和歌山大学)
発表6 15:25~15:50
「大規模言語モデルを用いたC言語頻出パターンの生成」
森下 皓太(和歌山大学)
休憩 15:50~16:05
発表7 16:05~16:30
「美術科の学習目標におけるキーワードの分類:中学校を対象として」
畔田 暁子(八洲学園大学)
発表8 16:30~16:55
「城郭石垣データベースの構築について―史跡備中松山城跡石垣を例にした総合石垣データベース群の構築―」
東條 嵩生(立命館大学)
発表9 16:55~17:20
「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)におけるアクセス制限の現状と改善方策について」
長塚 隆(鶴見大学)
閉会挨拶 17:20~17:25
懇親会 18:00~
発表要旨
発表1
「役者評判記の形態素解析における現状と課題―評判記を用いた歌舞伎用形態素解析辞書の構築を目指して」
戸塚 史織(立命館大学大学院文学研究科文化情報学専修)
歌舞伎研究の重要資料である評判記の新たな研究可能性として計量テキスト分析が考えられるが、この分析では、単語を分割し、品詞などを判別する形態素解析の過程が難関となる。そこで既存の形態素解析辞書による評判記の解析結果を比較分析して解析に生じる問題を明らかにし、最適な辞書を調査した。また、誤解析事例と形態素解析器MeCabの2種類の辞書の特性を踏まえ、高精度な歌舞伎用形態素解析辞書の構築方法を検討する。
発表2
「近代歌舞伎の淀君表象研究におけるデジタルアーカイブの活用」
嶋津 麻穂(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
明治末期から昭和初期まで人気を博した新歌舞伎に、坪内逍遥の戯曲による『桐一葉』と『沓手鳥孤城落月』がある。どちらも大坂の陣を描いており、とくに淀君や豊臣秀頼のイメージに大きな影響を与えた。本発表では、舞台写真データベースや音声記録、関連記事を用いながら、舞台演出の「対照」を中心に、舞台上での豊臣親子の描写と逍遥の作意との相違を明らかにする。そして歌舞伎研究におけるデータベース活用の一端を示す。
発表3
「ARC翻刻支援システムによる非母語話者との協働翻刻:17世紀以降の禅画を中心に」
中村 充孝(ハワイ大学マノア校図書館)
昨年初夏、ワシントン大学セントルイス美術館にて開催された禅画展「Killing the Buddha: Reconstructing Zen」。審査により選ばれた同校学部学生が学芸員として企画展示を主導する恒例行事だが、担当学生は全員日本語話者ではなかったため、日本研究司書として翻刻作業に参加。立命館大学ARCの翻刻支援システムとチューターの手助けにより、高泉性潡・仙厓義梵・中原南天棒等、17世紀以降の禅僧による書画を解釈し、展示会での説明に活用した過程を報告する。
発表4
「花押画像検索システムにおける近似最近傍探索を用いた検索機能の開発」
北國 智己(和歌山大学)
花押は、その人物を表す署名であり、古文書などの年代推定に活用されている。発表者の所属する研究室では、花押の画像ファイルを入力に与え、AKAZEに基づき類似度の小さい画像を表示する検索システムを開発してきた。本研究ではCNNの学習済みモデルであるMobileNetV2を用いて特徴量ベクトルを抽出し、近似最近傍探索により、約25,000枚の画像に対する検索時間が1秒未満となるよう改善を図った。
発表5
「プログラミング学習支援システムにおける記録の分析」
田岡 健斗(和歌山大学)
写経型プログラミング学習支援システムであるLbTypingを用いて、2022年度に発表者の所属学部の授業で学生が実施した際の記録を分析し、タイピング時間や誤タイプの状況などについて集計を試みた。1タイプごとの平均タイピング時間について、実施の回数により短くなっていることなどを確認した。
発表6
「大規模言語モデルを用いたC言語頻出パターンの生成」
森下 皓太、村川 猛彦(和歌山大学)
多くの大学でプログラミング教育が行われており、効果的に学習できるための環境および教材が求められている。C言語には英語には存在しない語や記号が多用されるため、初学者にはどの部分を変更すればよいのか判断が難しい。本研究では大規模言語モデルを活用したコード生成を通じて、C言語初学者向けプログラムコードにおける頻出パターンの発見を試みた。
発表7
「美術科の学習目標におけるキーワードの分類:中学校を対象として」
畔田 暁子(八洲学園大学)
本研究の目的は,中学校美術科の学習目標におけるキーワードを抽出・分類し,どのような領域が含まれているかを明らかにすることである.教科書および学習指導要領解説を調査した結果,情報学,心理学,物理学,工学,言語学など,美術・デザイン・工芸が属する7類以外の領域が幅広く含まれていることが示された.このことから,学習目標に応じて,学習過程における多様な教材利用や他教科と連携することの効果が示唆された.
発表8
「城郭石垣データベースの構築について―史跡備中松山城跡石垣を例にした総合石垣データベース群の構築―」
東條 嵩生(立命館大学)
本研究は、城郭石垣の保存・整備・活用における現状課題について、デジタル技術を用いた解決策として、総合石垣データベース群の構築を提案するものである。史跡備中松山城跡(岡山県高染市)の石垣を対象例に、「城郭石垣」に関する諸情報の管理から柔軟な活用まで担う3つのデータベースを作成したほか、数カ所の石垣面の 3次元モデルを作成し、データベース上での共有・活用についても試みた。
発表9
「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)におけるアクセス制限の現状と改善方策について」
長塚 隆(鶴見大学)
昨年,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)に収集された過去のHPを分析したところ,ほとんどの政府機関では原則公開していたが,多くの自治体および大学では過去のHPの全記事へのアクセスが国立国会図書館内に制限されていることを明らかにした.本報告では,1年後の現時点でのアクセス制限の状況を調査し,昨年の状況と比較し,現時点での特徴を分析した.そのうえで,今後の方策について考察した.