第15回「知識・芸術・文化情報学研究会」(JADS関西地区部会研究会)の開催案内(参加者募集)
第15回 知識・芸術・文化情報学研究会を開催します。
この会は、関西地区部会研究会を兼ねております。
参加者申し込みを受け付けておりますので、奮ってご参加ください。
なお、非会員でも参加可能です。
日時
2026年3月14日(土)13:00開始
実施方法
会場:立命館いばらきフューチャープラザ カンファレンスホール(立命館大学 大阪いばらきキャンパス内)
〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150
主催:知識・芸術・文化情報学研究会
世話役〔五十音順〕:赤間亮(立命館大学)、井上奈智(近畿大学)、阪田真己子(同志社大学)、村川猛彦(和歌山大学)、山西良典(関西大学)
共催:アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会、情報知識学会関西部会
協力:立命館大学アート・リサーチセンター 文部科学省 国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」
参加申し込み方法
2026年3月11日(水)までに、参加申し込みフォームよりお申し込みください。
- 参加費は無料です。
- 研究発表会後に懇親会を予定しています。大学や分野の枠を超えた交流の場にしたいと思いますので、あわせてご参加ください。会場、参加費等は決まり次第ご案内します。
プログラム
13:00 開会挨拶
13:05 発表1
「MCPサーバ推薦機能を備えたWebアプリケーションの開発」
浅井 紀海(和歌山大学)
13:30 発表2
「並べ替え形式を用いたプログラミング言語Rustの学習支援システムの構築」
林 亮汰(和歌山大学)
13:55 発表3
「美術科の題材設計・学習資源選択を支える観点枠の抽出と類型化:NDC記述の分析と芸術分野比較を手がかりに」
畔田 暁子(八洲学園大学)
14:20 休憩
14:35 発表4
「主題項目に基づいた浮世絵のデータセット構築および探索支援システムの評価」
小池 珠恵(筑波大学)
15:00 発表5
「Cross-Lingual Vector Space Alignment for Semantic Representation of Japanese Art and Literature in Chinese Contexts」
LIU ZIPEI(Ritsumeikan University)
15:25 発表6
「大津絵の記録・分類手法について」
塚本 剛生(立命館大学)
15:50 休憩
16:05 発表7
「『演芸画報総索引』データベースの構築とその活用」
堀池 理生(立命館大学アート・リサーチセンター)
16:30 発表8
「空海伝における遺告の影響の分析」
三輪 玲以佳(同志社大学)
16:55 発表9
「音声入力を活用したマルチモーダル融合によるくずし字翻刻支援システムの高精度化」
張 宇涛(立命館グローバル・イノベーション研究機構)
17:20 閉会挨拶
18:00 懇親会
発表要旨
発表1
「MCPサーバ推薦機能を備えたWebアプリケーションの開発」
浅井 紀海(和歌山大学大学院システム工学研究科)
生成AIの普及に伴い、大規模言語モデル(LLM)が外部のツールを利用しやすくするために、MCP(Model Context Protocol)というプロトコルが提唱され、広く利用されている。本研究では、MCP利用における導入の複雑さや膨大なサーバ数からの選択の困難さを解決するためのWebアプリケーションを開発した。ユーザのプロンプトとサーバ説明文との類似度に基づき最大5件のサーバを推薦し、選択されたサーバの情報は設定ファイルに保存するようにした。
発表2
「並べ替え形式を用いたプログラミング言語Rustの学習支援システムの構築」
林 亮汰(和歌山大学大学院システム工学研究科)
プログラミング言語Rustは、そのメモリ効率性に対し、習得難易度が高いといわれている。Rustの提供する機能のうち、所有権やライフタイムといった概念の学習に時間がかかるため、適切な教材の開発が求められている。本研究では、所有権がコードの実行順序に強く依存する点に着目し、並べ替え形式の学習支援システムをWebアプリケーションとして構築した。文法に不慣れな学習者でも取り組みやすい並べ替え形式により、所有権が実行順序に依存する感覚を体験的に習得できるようにしている。
発表3
「美術科の題材設計・学習資源選択を支える観点枠の抽出と類型化:NDC記述の分析と芸術分野比較を手がかりに」
畔田 暁子(八洲学園大学)
美術科は、題材(単元)ごとに表現・鑑賞活動と多様な学習資源が組み合わさる科目であり、題材設計や学習資源選択を支える観点の枠組みが求められる。本研究は、題材設計・学習資源選択・評価をつなげることを視野に入れ、NDCの記述を分析し、観点に関わる表現を抽出・整理した。主な対象は美術・工芸・デザインであり、比較のために音楽と文学を参照し、先行研究に基づき7類以外の境界例示も確認した。その結果、観点は9カテゴリに整理され、同一項目内でのカテゴリ併存の現れ方は5つのパターンに類型化された。今後は、整理した観点の枠組みが、題材設計と学習資源選択に加え、評価の説明可能性にどう関わるかを検討することが課題である。
発表4
「主題項目に基づいた浮世絵のデータセット構築および探索支援システムの評価」
小池 珠恵、高久雅生(筑波大学)
現在、浮世絵に描かれている事物の情報(主題情報)は多くの作品データベースにおいてメタデータとして付与されておらず、初学者にとって作品の探索と鑑賞をインターネット上で体験することは難しい。そこで、名所絵に描かれている事物の項目立て、データセットの作成、探索支援システムの構築と実験を行った。本研究会では生成AIによる画像認識を用いた作品情報メタデータ付与の実践および、主題情報を用いた探索支援システムと用いないシステムの比較検証結果について報告する。
発表5
「Cross-Lingual Vector Space Alignment for Semantic Representation of Japanese Art and Literature in Chinese Contexts」
LIU ZIPEI (Ritsumeikan University), Wu Bohao (Graduate School of Information Science and Engineering, Ritsumeikan University), Akira Maeda (College of Information Science and Engineering, Ritsumeikan University)
This study aims to construct a cross-lingual semantic processing framework for Japanese cultural heritage, using ukiyo-e titles as a core case study. By integrating named entity recognition, tokenization, Japanese–Chinese bilingual vector space alignment, and controllable generation modules, the system automatically transforms Japanese metadata into semantically accurate Chinese titles that conform to Chinese cultural expression. The study develops a small-scale parallel corpus tailored to the ukiyo-e domain and fine-tunes the semantic space using a Sentence-BERT–based dual-encoder architecture. In addition, slot- based prompts are employed to fine-tune a Chinese generation model, enhancing the structural clarity and controllability of the generated outputs. This framework provides a feasible approach for cross-lingual understanding and dissemination of cultural heritage information and lays a foundation for future research in related fields.
発表6
「大津絵の記録・分類手法について」
塚本 剛生(立命館大学大学院 文学研究科 文化情報学専修)
滋賀県の郷土絵画・大津絵を対象に、閲覧・記録・分類手法の改善を提案し、その有効性を検証した。デジタルDBの構築によって1300件超の資料画像と付帯情報を整理し、739件の非重複資料の現存可能性を示した。分類はジャンル・画題・図像の三段階とし、これら段階ごとに実施した分析(階層的クラスタリングなど)により、先行研究との共通/相違点を明らかにし、本手法の今後の研究に対する有効性を示した。
発表7
「『演芸画報総索引』データベースの構築とその活用」
堀池 理生(立命館大学アート・リサーチセンター)
明治40年から昭和18年まで合計440冊刊行された雑誌『演芸画報』は様々な演劇関係記事が掲載されている。その膨大な記事を国立劇場芸能調査室が『演芸画報総索引』として昭和49年から昭和52年に刊行した。この項目をデータベース上に登録して本文ページと結びつけ記事閲覧を容易にし、データベース機能を用いた内容分析を行った。また総索引が立項していない口絵写真について、データベース上で索引化することを試みる。
発表8
「空海伝における遺告の影響の分析」
三輪 玲以佳(同志社大学大学院文化情報学研究科)
空海伝、とりわけ絵巻の成立について、空海によると信じられた『遺告二十五箇条』の影響が大きかったことが指摘されている。本研究では『遺告二十五箇条』に加え、その類似するテキストついて内容項目を整理した。また、これらのテキストを含む『弘法大師伝全集』所収空海伝全88編について類似する文字列をFastTextによるベクトル化、HNSWによる近似近傍探索によって抽出した。これらの情報をTEIガイドラインに準拠したマークアップにより統合した。結果、項目の内『遺告二十五箇条』独自の内容、また、『遺告二十五箇条』にはない項目について整理すると、これらは共に他の空海伝に含まれることが確認された。さらに、『遺告二十五箇条』以外にのみ採られる項目について、空海伝における出現傾向を明らかにすることで、空海伝の発展過程の様相に考察を加える。
発表9
「音声入力を活用したマルチモーダル融合によるくずし字翻刻支援システムの高精度化」
張 宇涛(立命館グローバル・イノベーション研究機構)、戸塚 史織(立命館大院)、耿 毓庭、中山 雅人、赤間 亮、西浦 敬信(立命館大)
本研究では、くずし字翻刻の効率化と高精度化を目指し、光学文字認識(OCR)と音読音声認識(ASR)を融合させた新たな翻刻支援フレームワークを提案する。 本手法は、従来のOCRに加え、翻刻者が元資料を読み上げる際の音声をASRでひらがなレベルで認識し、得られた音韻情報をOCR認識結果と統合することで、OCR単独の場合と比較して、より精度の高い翻刻結果の出力を可能にした。