第17回(2006年度) アート・ドキュメンテーション学会 年次大会
公開シンポジウム「ミュージアム・ドキュメンテーションの新時代 ― 新しい風は、いつだって、西から吹いて来る ―」
日程:2006年6月3日(土)、4日(日)
会場:九州国立博物館
主催:アート・ドキュメンテーション学会、九州国立博物館
6月3日(土)シンポジウム「ミュージアム・ドキュメンテーションの新時代」
13:00〜17:30
第20回講演会、第49回研究会
6月4日(日)
9:50〜15:30
第50回研究会、第17回総会、第36回見学会(九州国立博物館施設)
6月5日(月)オプショナル・ツアー
長崎歴史文化博物館、長崎県美術館
シンポジウム
ミュージアム・ドキュメンテーションの新時代
― 新しい風は、いつだって、西から吹いて来る ―
「もの」を持つこと、博物館・美術館=ミュージアムは、この一点からすべての使命が始まります。すなわち、何を持つのかの確認を始点として、持つものを台帳化し記録して、収蔵保管保存しながら、公開展示して、「もの」が歴史と文化をいまに伝えていることを雄弁、明確に示していく。今日、機能においてもサービスにおいても、ミュージアムに見られる多様性もまた、この一点から始まり、無縁ではありません。
この使命の始原にあるところの「もの」の記録化をミュージアム・ドキュメンテーションと呼ぶならば、ミュージアムのすべての仕事は、この活動から始まることでしょう。多くのミュージアムはこの活動を営々と積み重ねて、今日に至っているはずです。かつ、一つひとつのミュージアムの壁を越えて、「もの」の記録とデータは、ひろく共有されることを願いはじめています。すでにその願いに向けて多くの試みと議論、成果と挫折があったことは、多くの方々の知るところです。そして今また、ミュージアム・ドキュメンテーションをめぐって、あらたな冒険が始まろうとしています。
このシンポジウムは、百年を経て誕生した新たな4番目の国立博物館である九州国立博物館において、その冒険をめぐって、九州国立博物館と長崎歴史文化博物館、東京国立博物館、文化遺産オンラインの拠点である国立情報学研究所のキーパーソンが熱く語る場となることでしょう。
今また、新しい風は、いつだって、西から吹いて来る、に違いありません。
■参加費:無料
ただしJADS会員及び会場館関係者以外の方は、資料代を1,000円とさせていただきます。
総会参加はJADS会員限定です。その他はどなたでも参加できます。
■参加申込:
会員の方は、通信4月25日号同封の葉書にて、シンポジウム、懇親会、研究会(2日目)、総会、見学会、オプショナル・ツアーの出欠を5月20日までにお知らせ下さい。会員以外の方の参加申込は、氏名、所属、連絡先および上記の総会以外それぞれについて参加ご希望を明記の上、5月末日までにFAXまたはE-mailで下記までお願いいたします。
■連絡先:
〒180-8566 東京都武蔵野市吉祥寺東町3-3-7
武蔵野美術大学造形学部通信教育課程研究室内
アート・ドキュメンテーション学会
Tel:0422-22-8582
Fax:0422-22-4438
E-mail:ldt02307@nifty.ne.jp
■プログラム
6月3日(土)
シンポジウム「ミュージアム・ドキュメンテーションの新時代 ― 新しい風は、いつだって、西から吹いて来る ―」
会場:九州国立博物館 ミュージアムホール
12:30〜 受付
13:00〜13:20 開会挨拶 九州国立博物館/アート・ドキュメンテーション学会
【第20回講演会】
13:20〜14:10 基調講演 東昇(九州国立博物館 研究員)、道脇寿満(福岡県企画振興部 高度情報政策課 企画主幹)
「九州国立博物館の情報とミュージアム・ドキュメンテーション」
略歴:〔東昇〕九州大学大学院比較社会文化研究科日本社会文化専攻博士課程中退後、愛媛県歴史文化博物館学芸員、九州国立博物館研究員となる。専攻は日本近世史。各博物館で情報システム、WEB、収蔵品管理、図書管理等を担当する。特に九博では、業務システム、WEBともに設計から構築、運営にいたるまで携わっている。
〔道脇寿満〕民間で15年間情報システム開発に従事。2003年よりITコーディネーター。平成15年より福岡県の情報専門職員として九州国立博物館の情報システムを構築。EA(業務・システム最適化計画)手法によるBPRを手がける。現在は福岡県全体のIT政策を担当。企画主幹。
【第49回研究会】
14:10〜14:40 竹内有理(長崎歴史文化博物館 教育・研究グループリーダー)
「指定管理者制度の中のミュージアム・ドキュメンテーション −長崎歴史文化博物館の事例」
略歴:法政大学文学部史学科卒業。英国レスター大学大学院博物館研究科修士課程修了。文化環境研究所特別研究員、国立歴史民俗博物館研究員を経て現職。専門は博物館学(教育論・管理運営論)。
14:40〜15:10 村田良二(東京国立博物館 研究員)
「東京国立博物館のあらたなミュージアム・ドキュメンテーション」
略歴:筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻卒業。ソフトウェア開発に従事した後、東京藝術大学先端芸術表現科非常勤助手、武蔵野美術大学芸術文化学科コンピュータ・インストラクターを経て、2005年1月より現職。専門は美術情報。
15:10〜15:40 高野明彦(国立情報学研究所 教授・連想情報学研究開発センター長)
「文化遺産オンラインの目指す情報発信」
略歴:1980年東京大学理学部数学科卒業。同年日立製作所入社。同社基礎研究所、中央研究所などを経て、2001年より現職。博士(理学)。2002年より東京大学大学院情報理工学系研究科教授(併任)。専門は、関数プログラミング、プログラム変換、連想の情報学。研究成果のGETAを活用して、文化遺産オンラインを始め、Webcat
Plus、新書マップ、ブックタウンJIMBOUなど「連想する情報サービス」の構築に情熱を燃やしている。
15:40〜16:00 休憩(20分)
16:00〜17:20 パネルディスカッション
モデレータ:八重樫純樹(静岡大学情報学部 教授)
パネリスト:東昇、道脇寿満、竹内有理、村田良二、高野明彦
モデレータ略歴:昭和43年岩手大学工学部電気工学卒業。日立製作所・日立精工、東北大学〔元〕応用情報学研究センター助手を経て、昭和57年国立歴史民俗博物館情報システム部門助手(翌年10月助教授)として歴史系支援情報システムの研究開発、歴史学、考古学、民俗学等、研究資料のデータベース研究開発に従事(土偶データベース等)。平成7年10月より静岡大学情報学部情報社会学科教授。以降、歴史系情報モデル・システム開発研究、国内外の情報流通・情報結合の基盤研究等(現:横断的アーカイブズ論(博物館・文書館・図書館情報融合化)研究)。
17:20〜17:30 閉会挨拶 アート・ドキュメンテーション学会
17:30 終了
18:00〜20:00 懇親会
会場:うぐいす茶屋 (http://www011.upp.so-net.ne.jp/uguisu/index.html)
会費:一般5,000円、学生4,000円
6月4日(日)
【第50回研究会】
会場:九州国立博物館 研修室
9:30〜 受付
9:50〜10:15
植野健造(石橋財団石橋美術館 主任学芸員)
「日本近代美術史研究と新聞記事資料」
まず、1、新聞における美術関連記事調査の事例、を概観する。続いて発表者がこれまで試みた、2、白馬会研究と新聞記事、3、『柳河新報』にみる柳川の近代美術、の二つの事例を簡単に紹介し、プロジェクトによる新聞記事調査の有益性と必要性を指摘する。
10:15〜10:40
土屋伸夫(筑波大学大学院 博士課程 人間総合科学研究科 芸術学専攻)
「芸術支援学から見たデザインギャラリー銀座・松屋での企画展に関する一考察」
デザイン史研究において重要な役割を果たすアート・ドキュメンテーションのプロセス (展覧会案内状のデータ収集とその分析)について紹介する。ギャラリー銀座・松屋は、戦後日本におけるデザイン分野のギャラリーとして草分けである。
10:40〜11:05
福田博同(跡見学園女子大学文学部)
「美術シソーラスの形成とデータの世代交代について」
「筑波大学日本美術シソーラスデータベース:絵画編」は、パソコンデータベースから、筑波大学UTOPIAデータとしての公開を経て、Webへの公開へと変遷した。この過程とシステム変換を明らかにし、時代とともに変動せざるをえない美術シソーラスやデータベースの今後を考える。
11:05〜11:30
川口雅子(国立西洋美術館)
「国立西洋美術館におけるコレクション・マネジメント・システムの構築」
国立西洋美術館は、電子タグ利用やプリント・オン・デマンド等の実現可能性の検討に当たり、前提となる統合的情報基盤としてコレクション・マネジメント・システムの整備に着手した。作品が「今どこにあるか」の所在管理、画像の二次利用支援等、その基本コンセプトについて報告する。
11:30〜11:55
三嶋章浩、斎藤伸雄、秋元良仁(凸版印刷株式会社)
「収蔵品管理ASPシステムの試作と試行結果」
昨年11月東京国立博物館より収蔵品の標準的な管理項目を目指す「ミュージアム資料情報構造化モデル」が公表された。本稿では、そのモデルをベースに構築したASPタイプの収蔵品管理システムの概要と、数館による試行の結果を示す。
11:55〜12:10 休憩(15分)
12:10〜13:00 【第17回総会】
議長・書記選出、成立確認
事業報告、会計および監査報告、
事業計画および予算
その他
13:00〜14:00 休憩(60分)
14:00〜15:30 【第36回見学会】
九州国立博物館 図書室・書庫・情報処理室
15:30 終了
6月5日(月)
オプショナル・ツアー
年次大会は3日・4日の日程ですが、遠方より九州へ来られた方をはじめ、この機会に長崎まで足をのばしてみたいという方々のために、オプショナル・ツアーとして、指定管理者制度導入の中で2005年に開館した長崎歴史文化博物館と長崎県美術館への見学を企画しております。
長崎歴史文化博物館
長崎県美術館
10:00 集合(長崎歴史文化博物館ロビー) 長崎歴史文化博物館、長崎県美術館視察
15:30 散会
■交通案内
九州国立博物館
<所在地>郵便818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
<電話>ハローダイヤル 0570-008886
<交通>
鉄道 西鉄利用
福岡(天神)駅から二日市駅で太宰府線に乗り換え、
太宰府駅下車(20分)、徒歩(10分)
鉄道 JR利用
博多駅から鹿児島本線で二日市駅下車(15分)、タクシー(15分)
バス 西鉄バス利用
JR二日市駅から九州国立博物館前停留所下車(20分)徒歩(3分)
[1時間に1本程度運行]
車 九州自動車道利用
太宰府インターから高雄交差点経由(約20分)
筑紫野インターから高雄交差点経由(約20分)
飛行機
福岡空港からタクシー(約30分)
http://www.kyuhaku.com/pr/visit/visit_top.html
長崎歴史文化博物館
<所在地>〒850-0007 長崎市立山1丁目1番1号
<電話>095-818-8366
<交通>
JR利用の場合 JR長崎駅より、路面電車「桜町電停」下車。徒歩7分。
車利用の場合 長崎自動車道多良見ICより長崎バイパス(西山トンネル)経由、諏訪神社方面へ30分
http://www.nmhc.jp/guide/general/index.html
長崎県美術館
<所在地>〒850-0862 長崎県長崎市出島町2番1号
<電話>095-833-211
<交通>
路面電車:出島電停 徒歩3分
長崎市コミュニティバスらんらん:長崎県美術館
長崎バス:長崎新地バスターミナルバス停 徒歩5分
長崎県営バス:長崎新地バスターミナルバス停(空港リムジンバス出島道路経由) 徒歩5分
JR:JR長崎駅 徒歩15分
フェリー:長崎港大波止ターミナル 徒歩10分
http://www.nagasaki-museum.jp/information/access/index.html