総合司会:高橋 則英(日本大学芸術学部教授)
14:00〜14:10 ご挨拶 野田 慶人(日本大学芸術学部長)
14:10〜14:40 基調報告 「デジタル・アーカイブ制作と近年における大学の事情について」 木村 三郎(日本大学芸術学部教授)
<休憩5分>
14:45〜15:05 「小袖資料の超精細画像閲覧システムの適用」 安達 文夫(国立歴史民俗博物館教授)
15:05〜15:25 「南蛮美術とその目録化」 坂本 満(お茶の水女子大学名誉教授)
15:25〜15:45 「浮世絵のデジタル・アーカイブ」 赤間 亮(立命館大学教授)
<休憩10分>
15:55〜16:50 全体討論 安達 文夫+坂本 満+赤間 亮+木村 三郎(兼司会)
<休憩10分>
17:00〜17:55 鼎談「伝統芸能(歌舞伎・文楽・日本舞踊)の記録・保存」
織田 紘二(国立劇場芸能部部長)
花柳 芳次郎(花柳流家元後見・(社)日本舞踊協会常任理事)
丸茂 祐佳(兼司会:日本大学芸術学部助教授)
17:55〜18:00 閉会の辞 橋 幸次(日本大学芸術学部芸術研究所長)
主催:
日本大学芸術学部芸術研究所
文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業NANAプロジェクト
後援:
アート・ドキュメンテーション学会(JADS)
協力:
日本大学芸術学部演劇学科
日本大学芸術学部共同研究「アート・アーカイブ構築に向けての基礎研究」研究会
お問合わせ:
NANA研究室(担当:安室・宮下)
03−5995−8099(直通)
orcnana@art.nihon-u.ac.jp
【開催の趣旨】
日本の伝統文化をどのように記録し、保存して、将来に活用すべきなのでしょうか。これは伝統文化に関わる人ならば、誰しもがつきあたる問題と言えるかと思います。というのは、文化というものはその時代時代で新しい要素を採り入れてこそ、生きた輝きを放つものだからです。殊更、日本の場合は「物」には「心」があると考えられており、形のある「物」は記録ができても、目には見えない「心」までは記録することはできないからです。
一方で、文化庁が「文化遺産オンライン」として、指定文化財のデータベース構築と教育普及を視野に入れた一般への公開を促進していることからも明らかなように、伝統文化に関わる有形無形の資料のデジタル化は、記録・保存の観点からも最重要課題のひとつとされています。また、近年、アート・ドキュメンテーション分野における研究も深化されています。このような流れを汲みつつ、ORCNANAでは、本学部芸術資料館が所蔵する歌舞伎舞踊衣裳コレクションや、日本舞踊やアジアの伝統舞踊の3Dデータのデジタル・アーカイブ化を目指しています。
今回のシンポジウムでは、本学のデジタル・アーカイブの取り組みとその現状の報告、近世の着物・絵画資料の記録・保存と活用に関する取り組み、国立劇場が有する伝統芸能情報館の「文化デジタルライブラリー」の構想と目的、日本舞踊の先達の映像記録による伝統の継承の重要性について、それぞれの立場からの貴重なご経験とご研究の方策を伺い、日本の伝統文化のアーカイブ化に向けての理想的な在り方を討論する予定です。
【ORCNANAプロジェクトとは】
日本大学芸術学部が選定された、文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業の研究プロジェクト「日本舞踊の教育システムの文理融合型基盤研究並びにアジアの伝統舞踊との比較研究」です。
本プロジェクトの略称は、日本大学芸術学部(NU Art)、および日本舞踊とアジアの伝統舞踊(Nichibu & Asian dance)の頭文字をとって"NANA"とします。
学外の幅広い人材を受け入れて多角的に研究するORCNANAでは、人間の動きを多方面からカメラで捉え、コンピュータで画像処理し、その動きを3次元で表示できるモーションキャプチャ装置により、日本舞踊やアジアの伝統舞踊を計測して、それらの教育や研究と、発展・交流のために資することを目的としています。
本シンポジウムを担当したORCNANAプロジェクト・メンバー
丸茂 美惠子(日本大学芸術学部助教授:研究代表者)
高橋 則英(日本大学芸術学部教授:主な研究者)
植月 恵一郎(日本大学芸術学部教授:主な研究者)
安室 可奈子(日本大学芸術学部:ポスト・ドクター)
出羽 尚(日本大学芸術学部:リサーチ・アシスタント)
田口 文哉(日本大学芸術学部:リサーチ・アシスタント)