JADSでは、スマトラ沖大地震についての文化遺産救済について、五人委員会のアピールに賛成し、以下に委員会のアピールを掲載します
スマトラ沖大地震・大津波被災文化遺産救済支援五人委員会アピール
私たち、被災文化遺産救済支援五人委員会は昨年12月26日に発生したスマトラ沖大地震・大津波で被害を受けた方々に心より哀悼の意を表します。
そして、今も多くの行方不明者や、生活の基盤を失った被災者が大勢おられることから、最大限の支援が今後も続けられることを願うものです。
私たちは、ICA(国際文書館評議会)およびIFLA(国際図書館連盟)両事務局長のアナン国連総長への被災地域での歴史的、文化的諸資料の保全についての要請にみられますように、この未曾有の災害に、それぞれの専門的立場からも救援支援活動を行う責務があることをあらためて思い、世界な救援の輪に加わることを表明し、国内の諸学会、団体に協力を呼びかけます。
当面の五人委員会の役割と支援内容としましては、
- インド洋大津波被災該当国の文化遺産救済、保全に関し英知をもって支援していく推進・調整役となること。(現在、対象国はインドネシアのみ。)
- 国内関係学会、団体に被災文化遺産救済、保全活動に要する諸費用の寄付を呼びかけること。
- 被害状況が現在もほとんど把握されていないことから、被害当事国の関係者により現地被害調査を行うことを物心両面で支援すること。
- 日本での災害時の文化遺産救出経験を助言し、実践的な救済活動の立ち上げをサポートする専門家を派遣すること。
- 現地被災文化遺産救済活動に必要と思われる緊急資材を調達し現地に届けること。
- 実践的な被災地での救済、保全作業をサポートする技術専門家を派遣すること。
- 今回の未曾有の災害の教訓を生かすために、被害該当国全域の「文化遺産被害状況報告書」の製作と刊行を支援すること。
- その後の、具体的支援内容については、1〜5の進捗状況を見て決めるものとする。
- 当面の五人委員会の事務局はTRCC東京修復保存センターに置く。現地状況、支援活動に関する最新情報は TRCC東京修復センターに掲載されています。
呼びかけ人:
青木繁夫(東京文化財研究所国際文化財保存修復協力センター長)
安藤正人 (国文学研究資料館アーカイブズ研究系教授)
斉藤照子(東京外国語大学教授)
坂本 勇(TRCC東京修復保存センター代表)
高山正也 (慶應義塾大学教授)<五十音順>
以上、よろしくお願いします。