アート・ドキュメンテーション研究会
第12回 (2001年度) 年次大会のご案内

今年は年次大会を「せんだいメディアテーク」で開催します。
ここは、美術館機能、図書館機能を包含する新タイプの芸術文化施設として注目を集めております。
また、その建物も建築界の注目を集めております。
今回は「せんだいメディアテーク」の協力により、開館まもない同所を見学できることになりました。
皆さん奮ってご参加ください。青葉の美しい時節、青葉の都仙台でお会いしましょう。

主催:アート・ドキュメンテーション研究会
協力:せんだいメディアテーク
日程:2001年6月1日(金)~2日(土)
会場:せんだいメディアテーク
交通:
参加申込:
会員の方は、『通信』同封の葉書にて、総会、見学会、講演会、研究会、懇親会の出欠をお知らせください。(尚、学生会員、賛助会員の方は、総会での議決権はありません。)
総会は、会員のみですが、見学会・講演会・研究会はどなたでも参加できますので、お誘い合わせの上ご来場ください。 (ただし、非会員の方は、参加費1,000円をいただきます。)
参加のお申し込みは、氏名、所属、連絡先を明記の上、5月18日(金)までに、FAXないしE-mailで下記までお願いいたします。

     アート・ドキュメンテーション研究会 事務局
      〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      国立西洋美術館 学芸課 波多野研究室
      電話:03-3828-5166 Fax:03-3828-5797
      E-mail:LDT02307@nifty.ne.jp
     

プログラム:
■6月1日(金)
14:00-16:00 第 21回見学会
「せんだいメディアテーク」
内容: 集合:7階会議室(http://www.smt.city.sendai.jp/ja/inst/f7/mtg.html
受付:13:30~

■6月2日(土)
午前の部
会場:せんだいメディアテーク7階会議室
受付:10:00~

10:30-12:00 第12回 (2001年度) 総会
内容: 本研究会の活動の基礎となる重要な集まりです。是非ご参加ください。
やむなくご欠席の正会員の方は、必ず、委任状(『通信』に同封の葉書)をご提出ください。


12:00-13:00 昼休み

■6月2日(土)
午後の部
会場:せんだいメディアテーク7階スタジオシアター (受付:12:30~)
13:00-13:05 会長挨拶
13:05-13:10 総会報告

13:10-14:10 第16回講演会
講師:
井上 如氏(学術情報センター名誉教授)
タイトル:
「公的機関のコレクティングと個人のコレクティング―カタログと遊び心」
要旨:
公的機関(国、地方自治体、各種法人組織、大学、企業、国際機関等々)が行うコレクティングと個人が行うコレクティングについて種々の視点から考察してみたい。
この場合、「コレクティング」という語は、コレクター、コレクタブルズ、コレクションという三要素すべてを含み、更にドキュメンテーションや展示をもカバーする包括的な行為を示すものとして捉える一方で、機関のコレクティングと個人のコレクティングとで対比させるには及ばない共通領域(例えばアーカイヴィング)がひろく存在することは前提である。

第一に、予備的考察として、公的機関といい、個人コレクションといってもその中は多様であるということを概観する。
名称はいちおう公的機関でありながら、中身は個人コレクションの集積という状況を、"誰それ記念館"など具体例を挙げてチョット覗いてみる。

第二に、集め、整理し、利用に供する、といった各種の「館」に共通する作業の流れという観点から見たとき露になる、個人コレクティングが示すさまざまな特徴(集めるだけで終わってしまう;秘蔵したがる;ドキュメンテーションの欠落等々)について、その原因とおぼしき諸要因について考察する。

第三に、機関コレクティングと個人コレクティングのどちらか一方に特に顕著な事象のうち、機関コレクティングについてはカタログの作成、個人コレクティングについては遊び心の関与をそれぞれの代表的な特徴として取り上げて、複数の専門職集団の分業による機関コレクティングと、特定個人の資質(ジェンダーを含む)にすべてを依存する個人コレクティングという、属人的な視点から見た対比を試みる。

第四に、ドキュメンテーションという活動について、コレクティング行動との関連からまとめてみる。
メディア化という収集方法、認識手段としてのドキュメンテーション、伝達におけるメディアの介在、調査/研究機能との関連等々、"ドキュメンテーションはそれ自体アートである"(慶応義塾大学アートセンター前田教授)という主張の妥当性を検証する。

第五に、機関のコレクティングと個人のコレクティングの相互の関係が、今後どのように展開する可能性があるかについて、揣摩憶測の域を出ないが卑見を述べる。


14:10-14:20 休憩

14:20-17:10 第34回研究会 
14:20-15:00 発表1
「美術雑誌研究SIGの活動-経過と若干の展望」
川口雅子(ポーラ美術振興財団美術館設立準備室)
この調査研究活動は近年の日本近代美術史の研究がその領域と深度を深めているのを受けて、それに応えうる美術雑誌データベースを最終的に構築したいと考えるものである。
このため、個別の雑誌の内容の検討採録の可否と所在調査がおもな内容となる。
しかし、調査方法の確定までに検討すべき課題が余りに多く、平成13年度は明治大正期の創刊号調査のみを終えることが出来る見通しである。
来年度以降、昭和戦前期の調査と、誌名変遷、所在調査などにも及びたいと考えている。


15:00-15:40 発表2
「東京都立図書館新電算システム:できること,できないこと-中央図書館人文科学係の現場から-(仮題)」
鈴木久美子(東京都立中央図書館情報サービス課人文科学係)
新しい電算システムになって1年余。検索を中心に、その概要と、付随して新たに始まったサービス等の紹介。
また、レファレンス現場の状況を、美術関係レファレンスをも絡めて報告する。


15:40-15:50 休憩

15:50-16:30 発表3
「美術情報の収集における商用データベースの活用」
都築 泉 (㈱ジー・サーチ)
データベースから得られる美術情報には、それぞれのデータベースの情報収録の状況、提供オンラインシステムの特徴を捉えて有効活用することが重要である。

今回は、美術情報を専門的に収録するデータベースArt Abstracts、The Bibliography of the History of Art, ARTbibliographies Modernを中心に、世界的な商用オンラインシステムであるDialog上で提供されているデータベースを利用した美術情報の効果的な入手方法の比較検討結果を報告する。


16:30-17:10 発表4
「アート・ドキュメンテーション研究会の次なる10年へ向けて…豊饒な10年後のために…」
恵光院 白
発表者は「アート・ドキュメンテーション研究」:No.8で、諸賢にダウンロードではなく、美術デザイン領域での諸目録、書誌、資料類の創造的編纂への道を述べた。
今総会・研究発表会では、「では、いかなる具体的な資料群:大系群であるべきなのか」を構想し、その多岐なる内容、その整合性、全体への奉仕、チームワーク+自己研鑽など、近未来的な展望・所信を述べてみたい。


17:10-17:15 閉会の挨拶

17:30-18:30 懇親会  (会費5,000円前後)

実行委員長 住広昭子(東京国立博物館)